潰瘍性大腸炎診断基準(要約)

(厚生省特定疾患潰瘍性大腸炎調査研究班 1975,3,7)

定義 主として粘膜を侵し,しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のびま

ん性非特異性炎症

WHOのCIOMS(Cauneit for international Organization of Medical Siences医科学国

際組織委員会)できめられた名称(1973) 特発性大腸炎ideopathic prociocolitis

WHOのCIOMSの概念(1973)

 主として粘膜と粘膜下層を侵す。大腸とくに結腸の特発性,非特異性の炎症性疾患

30歳以下の成人に多いが小児や50歳以上の者にもみられる。原因は不明で免疫病理学

的機序や心理学的要因の関与が考えられている。通常血性下痢と種々の程度の全身症

状を示す。長期にわたり,かつ大腸全体を侵す場合には悪性化の傾向がある。

診断の手順

 慢性の下痢,下血があり本症が疑われる患者には,細菌学的,寄生虫学的検査を行

って感染性大腸炎を除外するとともに,???検査を行って本症に特徴的な腸病変を

確認する。このさいなるべく?検を併用する。これだけの検査で多くは診断が可能で

あるが,さらに注腸X線検査や,必要に応じては結腸内視鏡検査を行って,腸病変の

生検や??,??範囲などを検査し,同時に他の疾患を除外する。

診断基準

下記のaのほか,bのうちの1項目を満たすもの。

  a.持続性または反復性の粘血・血便,またはその既往がある。

  b.1) 内視鏡検査により,

      (i)粘膜は粗造または細顆粒状を呈し,もろくて易出血性(接触出血)

        を伴い粘血膿性の分泌物を付着しているか,

      (ii)多発性のびらん・潰瘍あるいは偽ポリポーシスを認める。

    2) 生検により,組織学的におもに粘膜に炎症性反応を認める。このさい,

      同時にびらん,陰窩膿瘍(crypt abscess)や腺の配列異常および上皮の

      変化を認めることが多い。

    3) 注腸X線検査により,

      (i)粗造または細顆粒性の粘膜の表面の変化,

      (ii)多発性のびらん,潰瘍,あるいは,

      (iii)偽ポリポーシスを認める。このほか,腸管の狭小や短縮を認める

      こともある。

    4) 切除手術または剖検により,肉眼的および組織学的に潰瘍性大腸炎に特

      徴的な所見を認める。

   ただし,細菌性赤痢,アメーバ赤痢,日本住血吸虫症,大腸結核などの感染性

  大腸炎および放射線性大腸炎,虚血性大腸炎,肉芽腫性大腸炎(限局性大腸炎,

  大腸クローン病)は除外されているものとする。

  (注1)まれには血便に気付いていないものもあるので注意を要する。

  (注2)所見が軽度で診断が確実でないものは疑診として取り扱い,他日再発時な

  どに明確な所見が得られたとき本症と確診する。

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