QT延長症候群とは

 QT延長症候群は様々な病態から成り立ち,多形性心室頻拍や心室細動などの重症な不整脈をきたし,死亡の原因ともなりえる病態です。

 QT延長症候群は,電解質異常など後天性のものから遺伝子異常までさまざまな原因で起こすことが言われており,遺伝性のものでは先天性聾を伴い常染色体劣性遺伝を示すJervell and Lange-Nielsen症候群と先天性聾を伴わず常染色体優性遺伝を示すRomano-Ward症候群が有名ですが,実際には聴力が正常ではっきりした遺伝を示さない散発例がかなりあると言われております。

 現在,心筋イオンチャンネルに影響を及ぼす遺伝子座に異常を来す LQT1, LQT2, LQT3, minq-K の 4 タイプのものが既に報告されており,日本でも現在40家系の家族性QT延長症候群が知られています。

 従来報告されているQT延長症候群の症例では強い感情の変化や肉体的ストレスによる急激な交感神経の活動性の亢進が誘因となって,失神または心停止を来すことが報告されています。

一方,クモ膜下出血後や頭部外傷などの中枢神経障害により単独でもQT延長を来すことが報告されており,古くから脳出血後や脳手術後に心電図変化や不整脈の誘発が知られています。これも,その発生機序として自律神経関与によるものが示唆されています。

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