血圧測定時の注意点
 

最近,いろいろな血圧計が市販されていますが,血圧はただでさえ変動しやすいもの。
医療機関では,以下のような方法が推薦されています。ご自分で測定するときに参考にしてください。
なお,手首計や指先計は誤差が大きくなり,推薦できません。どうせ購入されるのな
らば上腕にまいて計測するものをお求め下さい。
 

血圧測定の精度と信頼性を高めるための方法
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1.静かな環境で上腕を心臓の高さに置き,5分間,楽にさせる。
2.目を血圧計の高さとして,測定値が読めるような距離に近づく。
3.適切なカフ幅を選択する。ゴム嚢(Bladder)の幅は少なくとも上腕周囲の40%,長さは上腕周囲の80%あるようにする。
4.上腕内側で橈骨動脈の拍動を確認する。
5.ゴム嚢(Bladder)の中心が橈骨動脈の上を覆うようにカフを穏やかに同時にきちんと巻く。カフの下縁が肘窩の上方2.5cmになるようにする。
6.カフを急激に膨張させ橈骨動脈の拍動を触知できないレベルを測定し(触診による収縮期圧),さらに30mmHg程度加圧する(不整脈に注意)。
7.急激にかつ確実に減圧する。再加圧は15~30秒経てから行う。
8.聴診器は肘窩部でカフの下方に拍動する橈骨動脈にあてる。イアーピースを前方に向け,聴診器のベル部を軽く全て皮膚に密着するように当てる。強く当てると音に歪みをきたす。
9.急激にかつ確実にカフを<6.>に示したレベルまで膨張させる。
10.1秒間2~3mm程度に降圧するようにカフ内の空気を減圧する。
11.収縮期圧(Ⅰ相)測定には,成人でも小児でも少なくとも連続する2拍で測定する
 必要がある。血圧値は偶数で記録し,血圧計の最も近い2mmHgの目盛りで読む。
12.小児では音の減弱するところで(Ⅳ相),成人では消失する点(Ⅴ相)で拡張期
 圧を測定する。Ⅴ相のさらに10~20mmHg下方まで聴診し,音の消失を確認し,その後,急激にかつ完全に空気を抜く。
13.収縮期圧および拡張期圧を記録する。Ⅳ相で血圧を記録する場合,Ⅴ相の血圧も記録する。例えば,108/64/52 あるいは 110/66/0。
14.患者の体位,カフ幅,測定側を記録しておく。
15.同一側で血圧を再測定するためには,静脈に貯留した血圧がもとに戻るまで,1~2分待つ必要がある。
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*心臓の位置は,胸骨左縁で第4肋間が目安とされている。
(American Heart Association,1988)

Frohlich ED,Grim C,Labarth DR,Maxwell MR,Perloff D,Weidman WH:
Recomendations for human blood pressure determination by sphygmomanometers.
Report of a special task force appointed by the Steering Committee,
American Heart Association, 11:210A-222A, 1988
 
 

血圧測定法(日本循環器協会血圧小委員会) (日産婦1984,6)
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 血圧測定は一般に普及しているものの,細部にわたってはまだ多くの研究すべき点
が残されていると考えられるが,一般に血圧測定が行われるときには,最小限次のよ
うな血圧測定方法によることが望ましいと考える。

Ⅰ.測定器具
 1.点検済(注1)の水銀血圧計を用いる。
 2.マンシェットの幅は12cm,長さ22cm以上のゴムノウを有するものを用いる。
 3.膜型の聴診器を用いる。

Ⅱ.測定の条件
 1.あらかじめ排尿させ,測定前(注2)5分以上の安静をとった後に測定する。
 2.室温は20℃前後とし,寒さ暑さを感じない程度に保つ。
 3.体位は椅座位とする。臥位の場合はその旨記録する。

  測定部位は右上腕,左の場合は記録する。
  測定のさいには肘関節を伸展させ,測定部位の高さは心臓と同じ高さにする。

 4.マンシェットは,そのゴムノウの中央が上腕動脈にかかるように巻き,巻いたときの固さは指が1/2本はいる程度とする。マンシェットの下縁が肘窩の 2 ~ 3 cm上になるように巻く。上腕を緊迫するシャツを着ている場合は,脱衣の上,マンシェットを巻く。

Ⅲ.測定方法
 1.まず,触診法で最大血圧を推定し,いったんマンシェット圧を0に落す。さらに触診法で最大血圧および最小血圧を測定する。
 2.水銀を落す速度は,血圧測定点付近では1拍動 2 mmHg とする。
 3.最小血圧は第5点をとり,マンシェット圧が0でも Korotkoff音の聞こえるときは第4点を記載し,これを( )でかこむ。
 4.測定値の末尾の数字の読みは,偶数値読み( 2 mmHg 単位)とし,中間の場合は低い値をとる。
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注1)点検の内容は次のようなことがらである。
  イ.水銀血圧計を垂直の位置において圧力を加えないときは,常に指針が0位に戻っていること。
  ロ.全部を連絡して送気を行い2度目200mmに達したとき送気を中止して弁を閉じ,そのまま3分間静置するも水銀柱が2mm以上下降してはならない。
  ハ.次に弁を全開したとき,すみやかに1秒程度で指針が0位にもどること。
注2)測定前5分以上の安静とは,測定前測定される状態で5分以上の安静という意味で,体位の変化があってはいけない。
注3)2回以上血圧を測定したときは,測定値のとり方を明記する(何回目の値か,平均か,高い方か,低い方かなど)
注4)測定年月日,時刻,室温を記録する。
注5)血圧測定値は性別,5あるいは10歳年齢,階級別の10mm区間の度数分布をとる。
注6)静かな部屋で測定する。
注7)測定前の運動,食事,タバコ,寒冷被曝など血圧測定値に影響ありと考えられ
  る条件を避けるようにする。

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