Charcot-Marie-Tooth 病

<CHARCOT-MARIE-TOOTH DISEASE>

<PERONEAL MUSCULAR ATROPHY>

<NEURAL PROGRESSIVE MUSCULAR ATROPHY>

〔疾患概要〕

 下腿・足に始まる四肢遠位筋の萎縮・筋力低下を特徴とする遺伝性神経変性疾患。一般に進行は遅く、直接死因になることはないといわれる。典型的には足は凹足・内反足を呈し、下腿から大腿の下部3分の1以下に限局する筋萎縮による「シャンペンびんをさかさにした」形をとる。手・前腕の筋萎縮ものちに生じてくる。上下肢の遠位部に知覚障害を認めることがある。顔面・体幹を侵すことは少ない。

〔病因〕

 単一の病気というより、病因的に異なるいくつかの疾患を含むと考えられている。10才台までに発症することが多く、末梢神経の肥大と伝導速度の低下を示す第1型、成人になってからの発症も多く進行はきわめてゆるやかで、末梢神経は軸索変性を示す第2型と脊髄性進行性筋萎縮症に属する第3型の3つの型に分類される。

 いずれも常染色体性優性遺伝を示すことが多い。

〔麻酔上の問題点〕

 一般に呼吸筋や嚥下筋は侵されず、心筋も侵されることはまれである。進行性の末梢神経変性を増悪させないために脊椎麻酔や硬膜外麻酔は避けるべきであろうといわれる。

 高カリウム血症をおこす可能性があるので脱分極性筋弛緩薬(サクシニルコリン)は用いないほうがよい。非脱分極性筋弛緩薬は神経刺激装置でモニターしながら用いる。

 しかし重症例では、脳神経障害による嚥下反射の減弱・声帯麻痺・胸鎖乳突筋の筋力低下、自律神経障害による不整脈・低血圧、側彎症による拘束性換気障害を合併することもあるので注意すべきであるとの報告もある。妊娠によって増悪することがまれにある。

〔文献〕

渡辺とよ子,山下 衛,近藤陽一,佐藤重仁,水谷太郎,渡辺 徹,内藤裕史

声帯麻痺を伴ったCharcot-Marie-Tooth 病の麻酔および術後管理

麻酔(1982 May) 31(5):530-534

Brian J E Boyles G D Quirk J G Jr Clark R B

Anesthetic management for cesarian section of a patient with Charcot-Marie-

Tooth disease.

ANESTHESIOLOGY (1987 Mar) 66(3):410-412

Roelofse J A Shipton E A

Anaesthesia for abdominal hysterectomy in Charcot-Marie-Tooth disease. A case

report.

S AFR MED J (1985 Apr) 67:605-606

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