HIV医療機関内感染予防対策指針(平成1年4月 厚生省)(要約)

・医療行為によるHIV感染の頻度は針刺し事故が最も多い。

・診療に従事する者の皮膚,粘膜に傷や病巣のある場合で,直接血液や体液に触れるお

 それがある場合には,常にグローブの着用等により接触を避ける。

・汚染を最小限にとどめるために,汚染された手指やグローブまたは医療材料等で器具

 に触れないよう注意する。

・付着した血液,体液等は状況により即座に洗浄,消毒などの適切な処置を行う。

・HIVの検査を行う場合は本人の同意があることを原則とする。

・検査結果については二次感染の観点から本人に告知する。

・陽性者の家族に対する告知は,陽性者本人の承諾の上で行う。

・HIVに感染しているか,感染を疑わせる検体の容器には原則として標識を付ける(た

 だし,HIV感染のみを示す標識は付けるべきではない)。

・患者にたいする指示,指導,連絡等は医師が直接本人に伝える。

・患者本人以外の者からの電話等による問い合わせには一切対応しない。

・患者の病状等に係わる証明書等の交付は,原則として患者本人以外には行わない。

・二次感染防止という観点だけでは隔離の必要はない(ただし,免疫機能の低下の兆候

 が明らかな病態や,身辺を清潔に保ち難い患者については必要に応じて個室に収容す

 る)。

・血液,分泌物が付着した者は石鹸を用いて流水でよく洗い流す。

・傷や月経時の出血はなるべく自分で処理する。

・カミソリ,歯ブラシ,タオル等の血液のつきやすい日用品は他の人と共用しない。

・乳幼児に口移しに食物を与えない。

・排尿,排便後には石鹸を用いて流水でよく手を洗う。

・食器は専用とする必要はない。

・性生活でコンドームの使用は感染の防止に有効である。

・妊娠する可能性のある女性には母子感染の可能性について指導する。

・器具の扱い :できるものはディスポーザブルとするか感染者専用とする。

・注射針の扱い:リキャップをしない場合は,注射器ごとに所定の缶に入れ,オートク

        レーブで滅菌後処理する。

・着   衣 :診療や汚物処理,汚染器具の取扱いは必要に応じ,予防衣,マスク,

        ゴーグル,グローブ,長靴などを着用する。

・汚 物 処 理 :汚物は二重の袋に入れて,抱きかかえずにぶらさげて運搬する。

        医療器具,ガラス破片など鋭利なものは医療廃棄缶などに入れ,ただ

         ちに搬送し焼却する。

        ただちに焼却できない場合は,消毒後所定の場所に保管し,できるだ

         け早期に焼却する。

・事故時の対応(針差し事故等)

  ただちに血液をしぼり出し,傷口を消毒する。

  感染予防対策委員会に報告するとともに,事故者のHIV抗体検査を,事故直後,

   1,3,6か月後および1年後に実施し,経過を観察する。

・HIVに感染している職員への対応としては,感染職員本人にとって業務に支障のない

限り,通常の業務に従事することは差し支えない。

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